5月13日から『成年後見制度利用促進法』が始まり、約1ヶ月が経過しました。
超高齢社会の昨今。
認知症などの高齢者や障害者の方々も多くなっているにも関わらず、その方々を守るための「成年後見制度」は未だに広がらないのが現状で、成年後見制度の利用促進は社会全体の課題となっています。
今回は、この成年後見制度利用促進法についてお話しをしたいと思います。
<成年後見制度利用促進法とは>
成年後見制度利用促進法は、認知症の方・知的障害の方など、精神上の支障がある方々に対して「成年後見制度」の不足点を改善し、社会全体に広げ、利用を促進する法律です。
この法律では、
① 国・地方公共団体が「市民後見人」を育成すること
② 現在の成年後見制度を改善すること
・後見人以外の制度(保佐人、補助人制度)も利用しやすいように改善すること
・後見人でも「医療同意」ができるように改善すること
・後見人が「死後事務(葬送や遺品整理)」ができるように改善すること
③ 国・地方公共団体で相談窓口や対応部署、調査部署を設けること
が定められています。
<成年後見制度利用促進法で変わること>
この法律により、以下のような事が考えられます。
事例1)地区会のお父様が、近所のおばあちゃんの『市民後見人』になる。
現在、後見人になる方は「親族」「専門職(弁護士・司法書士)」がほとんどですが、今後、公共団体の研修を修了し『市民後見人』の認定を受けて、一般市民から後見人になる方が増えてくると思います。
地区会に積極的に参加されるお父様が『市民後見人』となって社会貢献されるようなケースも増えるかも知れません。
事例2)後見人の方が医療方針を決めるようになる。
現在の後見制度では、『医療同意はできない』となっております。
今後、制度が改善されて、お医者さんと後見人がきちんと打ち合わせをして医療方針を決めることができるようになるかも知れません。
事例3)役場の窓口で、近所の認知症の方の相談ができるようになる。
今後、市役所や町役場などに認知症対応の窓口が増え、一人住まいの高齢者などの相談や対応を公務員が積極的にできるようになるかも知れません。
超高齢社会かつ核家族化の昨今。
一人住まいの高齢者や障害者も多くなっています。
この法律で、そのような方々もしあわせに暮らせる社会になれば良いですね。
私たち「しあわせほうむネットワーク」でも、みんながしあわせに暮らせるように、これからもお手伝い致します。